えん罪被害救済早く 再審法改正へ意見書採択
愛知県議会12月定例会は2日から19日まで開かれ、今年度一般会計から1億1636万円を減額する一方、人事委員会勧告に沿って知事、議員など特別職報酬や県職員の給与改定分を増額する188億余円の補正予算案など53議案を審議、可決しました。
減額は、土壌汚染が判明したことに伴う知多総合庁舎の新庁舎建設繰り延べに伴うもの。
また豊山町に整備する基幹的広域防災拠点の第1期分として消防学校の建設・維持管理に163億余円、名古屋・栄の「愛知芸術文化センター」の活性化を目指して運営権を民間事業者に譲渡することに伴う226億円の債務負担行為を認めました。
請願は、私学助成の充実にかかわる4件が採択され、「刑事訴訟法の再審規定の改正について」「悪質・危険な運転行為による死傷事犯の根絶について」など6件の意見書が採択されました。
再審についての意見書はあいち民主県議団から提案したもので、袴田さんのような冤罪被害が早期に救済されるよう、
① 検察のもつ証拠開示
② 再審決定後の検察の不服申し立て制限などの刑事訴訟法改正を国に求めるものです。
30年目の企業団体献金禁止
自民党の総裁選挙を受けて石破茂内閣がスタートしたが、予算委員会での質疑も経ぬまま、いきなり解散・総選挙に突入した。
立憲民主党は野田佳彦元首相を新代表に選び、「政権交代こそ最大の政治改革」と訴え、石破首相に真っ向勝負を挑んでいる。
この総選挙の最大の焦点は、80人を超える自民党安倍派議員らによる裏金・脱税問題によって極限まで高まった政治不信をどう一掃するかだ。
石破首相は、総裁選挙までの発言を次々に後退させており、裏金問題の解明も政治資金の透明化などの改革も全く期待できないことが明らかになってきている。
こうしたやり方は、3年前の岸田首相の時と全く同じだ。2度と同じ轍を踏むわけにはいかない。
3年前以上に深刻なのは、安倍政治によってもたらされた政治の腐敗、不正があちこちで表面化したことだ。
統一教会との癒着はその象徴的なものだった。自民党は各議員の自主点検でお茶を濁してきたが、朝日新聞の9月17日のスクープがそれを打ち破った。
2013年の参議院選挙直前に、統一教会幹部と安倍首相が自民党本部で会談を行ったという証拠写真だ。
組織的に自民党が統一教会と関係し、それに基づいて多くの自民党議員が支援を受けていたことが裏付けられた。こうした『壺』議員たちの再選を許してはならない。
袴田再審の教訓生かして全証拠開示と検察の抗告制限
2024年9月元死刑囚・袴田巌さんは、再審裁判による無罪判決が確定し、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件に続く戦後5例目の死刑再審無罪事件となった。
発生以来58年、最初の再審請求から43年、再審開始から10年。
なぜ 無実の人に死刑判決が下され、その冤罪(えんざい)を晴らす再審裁判にこんなにも長い年月がかかるのか。全国で日本の刑事訴訟法における再審制度の改正を求める声が高まっている。
袴田事件判決で衝撃的だったのは、「虚偽の自白」に加えて有罪の物証とされた「5点の衣類」も捜査機関による捏造(ねつぞう)と認定したことだ。
刑事裁判における有罪率が99.9%といわれる日本では、検察の権限が非常に強い。
裁判で必ず有罪に持ち込めるよう嘘の自白を強要したり、不利な証拠を意図的に隠したり、時には証拠の捏造すら行なわれてきた。
再審の開始が決定されても、検察は「抗告」によってこれを取り消すことすらできてしまう。
しかも、世界でも数少なくなった死刑制度を持つ国として、冤罪による死刑判決が実行されてしまったら、もはや取り返しがつかないことはいうまでもない。
こうした現状を是正するため日弁連が提起するのは、①検察の持つ証拠開示ルールの明確化 ②再審開始に対する検察官の不服申し立ての制限―などを内容とする刑事訴訟法の改正だ。
これを推進する超党派の国会議員連盟も動き出し、愛知県議会を含む17の道府県議会、300以上の市町村議会から意見書が続々と上がっている。
袴田 巌さん
狭山事件も再審開始を
1963年に埼玉県狭山市で起きた女子高生誘拐殺人事件。
警察の差別的な見込み捜査によって別件逮捕された被差別部落の石川一雄(当時24歳)さんは、脅迫と甘言によって嘘の自白をしてしまい、浦和地裁で死刑判決が下る。
しかし有罪の決め手とされた万年筆の発見過程や脅迫状の筆跡などを巡り、重大な疑惑が次々と明らかとなり、石川さんの無実の訴えが多くの共感を呼ぶようになる。
1974年に無期懲役判決が下された東京高裁前の日比谷公園には10万人を超える市民が集まり抗議の声を上げた。
最高裁の上告棄却後、3次にわたる再審請求を行なうもいまだ再審は開かれていない。
弁護団によって多くの新証拠や鑑定書が提出され、鎌田慧さん、落合恵子さん、古今亭菊千代さん、佐高信さんらが事実調べを求める51万筆の署名を東京高裁に提出したが、事実調べは一度も行われていない。
仮出獄した石川さんはすでに85歳となり、再審の開始を待ちわびている。
石川一雄さん
愛知障害フォーラムと勉強会
障がい・難病政策推進議連(高木ひろし会長)は12月18日、愛知障害フォーラム(ADF=加賀時男代表)の加盟団体の方々を県議機議事堂に招き、手話通訳者を交えて愛知県への要望事項について初めて意見交換した。
ADF側からは旧優生保護法被害者への救済や、県立高校のエレベーターの未設置、公共施設使用料の障害者割引などについて具体的指摘が出され、議連側は改善の努力を約束。
今後も両者で定期的に会合を持つことを確認した。
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