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2023年7月号

決意も新たに6期目へ  統一会派名「あちい民主」に

4月9日に行われた県議会議員選挙の結果、新政あいち会派所属議員は32名から28名(立憲10名、国民4名、無所属14名)に減少しました。瑞穂区選挙区の高木ひろしは「無投票当選」によって6期目に入ることになりましたが、同じ瑞穂区で2期目の市会議員選挙に挑戦した久田くにひろがトップ当選、南区新人の江原史朗をふくめ、4区の立憲民主党候補全員が当選できたことは大きな成果であり、皆様のご支援に厚く感謝申し上げます。
全体として厳しい結果を受けて新しい統一会派は、鈴木純県議(稲沢市、5 期)を団長に選出し、会派名も「あいち民主」と改めて再出発しました。
5月22日に召集された臨時議会では、物価高騰等に対応する約178億円の補正予算を可決成立させるとともに、今年度の県議会議長、各委員会の構成など議会人事を決定しました。高木ひろし県議は、引き続き県民環境委員会、名古屋港管理組合議員に就任しました。
また、6月19日から7月6日まで開かれた6月定例県議会では、出産・子育て支援の取り組みを強化し、少子化対策をさらに推進することに加え、天白区に特別支援学校の新設、6月2日の三河地方の豪雨被害への救済・復興費などの補正予算約74億円を可決成立させました。

名古屋城天守復元の混迷

6月3日に名古屋市が開催した「名古屋城バリアフリー市民討論会」で、障害者に対する差別発言が飛び出し、天守復元議論がますます混迷を深めている。問題は障害者に対する「差別呼称」という言葉の問題だけではない。エレベーター設置を求める障害者に対し、「お前が我慢せよ」「エレベーターは誰がメンテナンスするの?お金がもったいない」などという発言そのものが、差別なのである。そして主催者である市からこれを咎め注意しなかったばかりか、市長は「熱い議論があって大変よかった」などと評価。追及を受けた市は「差別発言」を認め主催者として陳謝することになり、文化庁への計画案提出もまたもや延期になってしまった。
混迷の根源は、市長が「史実に忠実な復元」にこだわりエレベーター設置を拒否したところにある。この「史実に忠実な復元」について、お城研究の第一人者である千田嘉博先生が名古屋市に苦言を呈している。「史跡における建物の復元とは、史跡の本質的価値を顕在化し活用するための真に必要な措置として行うのだから、適切な活用ができない復元はそもそも認められない」。耐震性、安全性、バリアフリー化などの現代的改変を含んでこそ文化財の復元なのであり、名古屋市の「史実どおりか、バリアフリーか」という2項対立で市民を分断してきたことを改めて出直さねば、議論の正常化は難しい。

発がん性毒物PFAS(ピーファス)  県内5か所でも検出

発がん性のある有機フッ素化合物(PFAS)による水の汚染が、沖縄や首都圏など各地で問題になっている。
愛知県環境局は6月28日の県民環境委員会で、県内でも名古屋市の荒子川、新堀川を含む5か所で国の暫定指針値(1リットルあたり50ナノグラム)を上回るPFASが検出されたことを明らかにした。
これらの地下水は水道の水源ともなっており、水道事業者によって取水停止措置が取られている。発生源は米軍基地などで使うPFASを含む泡消火剤が強く疑われており、自衛隊基地が近い豊山などでは、健康への影響を懸念する民間団体によって住民の血液検査も実施されている。質問した高木ひろし議員は、汚染源の調査と健康被害防止対策をとるよう県に強く求めた。

調査地点 結果(ng/L) 調査機関
荒子川ポンプ所(名古屋市港区) 107.7 環境省(2019)
新堀川日の出橋(名古屋市熱田区) 100 環境省(2020)
豊山町地下水 91 環境省(2020)
阿久比川半田大橋 99 環境省(2021)
春日井市鷹来町地下水 100 環境省(2022)

PFAS(ピーファス)主にフッ素と炭素からなる数千種類の化合物の総称。代表的なものにPFOS,PFOAがあり、調理用品や半導体製造などに幅広く使われてきたが、長期間分解されず、「永遠の化学物質」とも呼ばれる。人体に蓄積されるとがんや子どもの発育阻害の恐れがあるといわれ、2009年に国際条約によって製造が禁止されている。
国は2020年に飲み水1リットルあたりのPFASとPFOAを計50ナノグラム以下にとどめるという暫定指針値を設け監視対象に加えたが、この値は米国規制値の10倍という甘さで、「健康への影響はいまだ不明確」などとしている。

1990年代、アメリカの農場で家畜が汚染水によって大量死したことを契機に、巨大企業デュポン社が排出したPFASが原因だと20年にわたる戦いを繰り広げた弁護士の自伝。彼の不屈の闘いの結果、PFASに関する国際的規制が始まった。

毒の水 PFAS汚染に立ち向かったある弁護士の20年
  ロバート・ビロット著 花伝社

県外派遣は原則専決せず
沖縄機動隊派遣敗訴 公安委規程見直しへ

2016年に沖縄高江の米軍基地建設に抵抗する住民排除のため、愛知県警機動隊を派遣したことをめぐり争われていた住民訴訟で、今年3月末に最高裁は県の上告を棄却し、県警察の敗訴が確定した。派遣が違法とされたのは、公安委員会の議を経ず警察本部長が「専決」した手続き。 判決を受けて県警察本部は「災害対応など緊急に派遣が必要なケースを除き、公安委員会の承認を受けてから(県外派遣する)運用を行っている」ことを6月県議会の警察委員会で明らかにした。専決規程そのものについては改正も含めた検討を始めている。 この問題を県議会で取り上げてきた高木ひろし議員は、「県民の代表たる公安委員会が形骸化してしまっていることが問題で、各公安委員の自覚と猛省を促す契機とすべき」とコメント。

これまで差別、迫害されてきたLGBTQなど性的少数者も生きやすい社会に変えようと、様々な取り組みが始まっているが、当事者の思いや悩みを赤裸々につづった本が出た。1954年に名古屋で男の子として生まれ、50代後半で心の性との不一致に気づき、女性として生きることを決意。
「小百合」と名乗り社会生活を送ることで遭遇する数々の困難。67歳で性別適合手術を受け、ついに戸籍名を女性に変更できた。この10年の軌跡をブログで発信してきたものを本にまとめた。
この4月、社民党公認で春日井市議選に立候補し、見事当選を果たす。高木県議の友人である著者から10冊の寄贈を受け、希望者にプレゼントします。申し込みは高木ひろし事務所まで。


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