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新春鼎談 明日の政治を語ろう

コロナ禍の中で激変する世界と日本。
今年4月の統一自治体選挙は、平和や私たちの市民生活に大きな影響を及ぼす選択の時となります。 ともに立憲民主党の議員として、瑞穂区を基盤に活動する牧義夫衆議院議員、高木ひろし県議会議員、そして久田くにひろ市会議員が、政治への思いや今回の選挙の意味について語り合いました。

衆議院議員   牧  義 夫
愛知県議会議員 高木ひろし
名古屋市会議員 久田くにひろ

本当の安全保障を議論する国会に

 岸田内閣は昨年末に、国民的議論もないままこれまでの「専守防衛」などの日本の外交安全保障政策を大転換し、5年間で43兆円という途方もない防衛予算を投じる税制改正大綱を決めました。
与党内ではこの財源をめぐって赤字国債を充てるのか、増税で賄うのかといった議論が侃々諤々交わされていますが、これは「防衛費2倍増」ありきとして、国債か増税の二者択一しかないかのように誤解させる、とんでもない茶番劇です。
国民の生命や財産を守るために真に必要なものは何かといった、安全保障の真摯な議論こそ必要です。
隣国・中国との平和共存の関係をどう築いていくべきなのかを冷静かつ複眼的に捉え、歴史的な教訓に学ぶことも重要だと思います。
また、もうひとつの安全保障、「生活の安全保障」問題も差し迫った課題となっています。
物価高が異常な状態になり、賃金や年金が上がらない状態が続く中で、日本社会の貧富の差、富の偏在がますますひどくなっている。「所得の再分配」がいまこそ必要なことは明らかなのに、財務省は消費税を中心とした大増税路線を目論んでいるのです。
私は、物価高から国民生活を守るためには「消費税減税」こそ唯一の効果的な政策だと訴えてきました。
この国会で、徹底的に議論しなければなりません。

「異次元の少子化対策」というなら

高木 衆参で過半数を占める与党議席の上に国会を軽視する姿勢は、安倍・菅時代と同じですね。
「防衛費2倍増」問題が批判を浴びると、取ってつけたように「異次元の少子化対策」などと言い出したけど、これまでの少子化対策がほとんど効果を上げていないことの総括がないと思う。
民主党政権時代に、「高校無償化」や「チルドレンファースト」といった流れが、やっと日本政治の中心課題になったものの、自公政権に戻ってから所得制限を入れるなど随分後退してしまった。
日本の子育て支援に関する予算は、いまだG D P 比で2%にも満たず、出生率回復に成功したフランスの半分程度にとどまっています。
愛知県では、年収720万円以下の世帯に私学の授業料助成がいきわたるようになり、実質的な公私の負担格差が解消されましたが、大学も含めて、日本の教育費は個人の家計負担が重すぎるという現実は変わっていません。
 共稼ぎで子育てに取り組んでいる家族にとって、所得制限で手当や支援の対象から外されてしまうというのはまったく理不尽な話で、撤廃すべきです。保育などについても、保育士の配置基準が何十年も前から変わらず、労働条件が厳しいためいろいろな問題が起きています。「異次元の少子化対策」というなら、出産時に50万円出すという政策も、いっそ50 0万円にしたらどうか。
年間80万人しか生まれないのだから、4兆円で済む。防衛費に比べれば、よほど国民のためになるんじゃないか。
久田 若い世代をみても、結婚もしたいし、子どもも欲しいんだけど、経済的な不安を抱えている人が実に多い。子育て支援に予算を投じることが経済成長戦略にもつながるというのが、僕の大学院の修士論文のテーマでした。
家族の在り方についても、フランスのように柔軟で多様性を認める方向にすべきだと思います。



「歩車分離」で歩行者の命守る

高木 1年前に、終業式帰りの弥冨小学校の児童が交通事故死するという痛ましいことがありましたが、愛知県では交通死亡事故が全国ワーストという状態が17年も続いて、大きな問題になってきました。
特に交差点で歩行者が犠牲になるケースが多いので、私は「歩車分離信号」の普及を訴え続けてきて、確かに死者の数は大きく減ってはきたのですが。
 高木さんの愛知県議会での質問は、2008年に熱田区で保育園に通う親子が、交差点で左折してきた保冷トラックに轢かれて亡くなるという事件がきっかけでしたね。
全国的にも通学中の児童の列に車が突っ込むという事故があいついで、国土交通副大臣だった伴野さんや参議院議員の斎藤さんら民主党議員が中心となって議連を作り、通学安全確保法案を何度も国会に提出してきたんですよ。
久田 私も汐路学区で「ETC2.0」というビッグデータを活用した生活道路の交通安全対策にかかわり、制限速度を30キロ以下に制限すると同時に道路形状にもさまざまな安全対策を施す「ゾーン30プラス」が今年度から導入されました。

「誰一人取り残さない」連係プレー

 久田さんは私と同じ陽明小、汐路中出身で、地域に密着しているのが市会議員としての何よりの強みだね。
子ども食堂や、ホームレス支援など、いろいろなボランティア活動にも熱心だし、「誰一人取り残さない」というスローガンを地道に実践していることも、スマホが使えない人や小さなお店のコロナ対策の支援や相談にも、こまめに世話をしていただいたとの感謝の声も聞いています。
「地盤、看板、カバンなし!」という自伝(?)パンフレットも、共感をもって読ませてもらいましたよ。
高木 交通安全や防災対策も含めて、市民生活の安全・安心を守るという課題は政治の原点ですからね。
「誰一人取り残さない」というS D Gsの合言葉を実現するためには、国会議員、県会議員、市会議員の連携プレーが何より効果的だと思います。 牧さんも、久田さんも同じ瑞穂区の汐路学区出身ですし、私も3人の子どもを弥冨学区で育てていただき、“瑞穂愛”はどの党にも負けないトリオです。
区の中心である瑞穂運動場は3年後の2026年に、アジア競技大会・アジアパラ大会のメイン会場ともなります。
中国や韓国を含めアジア各国から多くの障害者を含む人々が集うこの大会が、アジアの平和交流の場となることを願わずにはいられません。
「敵基地攻撃」などという物騒な空気を一掃して、アジア平和の祭典に。

愛知県議会議員高木ひろし 4年間の活動データ 2019~2022

今任期中(2019~2022)高木ひろしはこんなテーマを県議会で取り上げました。
《愛知県議会ホームページ議事録で、全文検索できます》

環境、人権、福祉でリベラル・チェック


■2019
  • アジア競技大会でのパラ大会併設の可能性(2019年8月アジア競技大会特別委)
  • アジア人留学生の過大受け入れ問題/愛知県教委の障害者雇用水増し問題を追及(2019年9月本会議)
  • インターネット上の差別情報規制/愛知トリエンナーレの文化庁補助金停止問題問う(2019年9月県民環境委員会)
  • 生ごみ処理のコンポスト活用を(2019年12月県民環境委員会)
  • 人にやさしい街づくり条例改正を/IR(カジノ)提案募集を批判(2020年2月本会議)
  • 再生可能エネルギー利用と地域新電力支援を/幼保無償化で朝鮮学校差別やめよ(2020年3月県民環境委員会)
■2020年
  • 今なお残る部落差別解消を/教育委員会の障害者雇用率最低を批判(2020年9月本会議)
  • ふるさと納税方式のあいち医療応援基金(2020年9月総務企画委員会)
  • コロナ感染防止協力金/再犯防止計画など(2020年11月総務企画委員会)
  • 感染防止休業要請の強制力/コロナ専用病床の確保を(2021年臨時総務企画委員会)
  • 特措法・感染症法の罰則適用すべきか/教育委員会障害者雇用の具体策を(2021年2月本会議)
  • 犯罪被害者給付金制度の差別なき運用を/知事リコール署名の不正/法人事業税の超過課税(2021年2月総務企画委員会)

■2021年
  • 性的少数者配慮と高校の制服選択制に改革を(2021年6月教育スポーツ委員会)
  • 名古屋港管理組合議会副議長に選出され、カーボンニュートラルポートをめざす「次世代エネルギー推進特別委」を設置(2021年6月)
  • カーボンニュートラルと水素戦略の推進策問う/労働者協同組合の普及(2021年9月本会議)
  • 愛知県のカーボンニュートラル実現への課題、労働者協同組合法(2021年9月本会議)
  • 県教委の障害者雇用と、県立高校のバリアフリー化(2021年10月教育スポーツ委)
  • 東京オリパラの教訓とアジア競技大会の課題(2021年12月教育スポーツ委員会)
  • 県新体育館のユニバーサルデザイン、県立高校における階段昇降機の実態(2022年3月教育スポーツ委員会)
■2021年
  • 県新体育館のユニバーサルデザイン/設楽ダムの基本計画変更/県公安委員会の専決規定の問題点(2022年6月本会議)
  • 県新体育館のユニバーサルデザイン(2022年8月アジア・アジアパラ競技大会特別委)
  • 愛知県人権条例制定後の課題、食品プラ容器増大(2022年6月議会県民環境委員会)
  • ヘイトクライムとしてのウトロ放火事件判決/パートナーシップ制度の県内状況(2022年9月県民環境委員会)
  • 令和3年度公営企業会計決算を審査・認定(2022年10月、決算特別委員長として)
  • 県内自治体関与の再エネ型新電力、個人情報保護で広がる本人通知制度(2022年12月県民環境委員会)


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