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現場抜きで、社会保障を論じる危うさ

2008.07.07

この国はいつの間に、お年寄りにこれほど冷たい国になってしまったのだろうか。敬老の精神も、親孝行の道徳も、こんな医療制度にお年寄りを追いやる国に、語る資格はない。後期高齢者医療制度とは名前を「長寿医療制度」と言い換えようと、医療費削減のための「改革」以外の何ものでもなかった。
このままでは毎年1兆円以上医療費が増え、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には50兆円にもなる(この推計は過大!)、75歳以上の高齢者が、現役の5倍も医療費を使う(年をとれば病気は当然!)――そんな財政論だけで、2年前自民・公明は強行採決に突っ走った。 そこには、肝心のお年寄りの立場や気持ちを思いやる姿勢が決定的に欠けていたといえる。
情けないのは、国が設計したこの医療制度の仕掛けで、主体にされた「広域連合」である。県内の自治体が全部集まって結成したというが、責任も極めて曖昧で、その地域にふさわしい医療を論じた形跡もない。県には財政負担のツケだけがまわってくるだけ。一人暮らし高齢者や障害者の医療費の補助制度を論じる際にも、肝心の当事者の声を聞いたり、現場の実態を調査することもなしに、財政論から制度をいじっている。これでは「地方政府」の看板が泣く。