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「知事リコール運動」に異議あり

2020.07.09

6月3日突如として高須克弥氏(高須クリニック)らは、大村知事リコール運動を始めるとして記者会見し、愛知県議会にも「知事不信任議決の請願」を提出した。理由は、昨年のあいちトリエンナーレにおける「表現の不自由展・その後」に出展されたいくつかの作品が「天皇を侮辱」「反日的」だとして、主催者責任をとって解職すべきだという。
このあいちトリエンナーレに関わる問題については昨年来、有識者による検証委員会や県議会でも様々な角度から議論され、昨年のような事態が再発せぬよう今後の改革の方向へ動き出している。止められていた文化庁の補助金問題も解決したところだ。そんないま、なぜ「知事リコール」なのか、まったく理解できない。しかも、この運動をなんと河村名古屋市長が主導しているというから驚く。コロナ禍の中で、愛知県は名古屋市と協調して感染防止と、県民・市民の生活防衛に全力をあげてきたはずなのに。
請願は当然ながら、愛知県議会の圧倒的多数で否決された。しかし、高須氏、河村市長らの「知事辞めろ」キャンペーンは収まるどころか、知名度と資金力にものを言わせてますますエスカレートする勢いだ。そのトーンも、芸術や表現の自由論を飛び越えて、まるで右翼・国粋主義のアジ演説調になってきた。
コロナ禍で苦しくなった生活や社会的ストレスは、どこかに「敵」を見つけて攻撃したくなる衝動が起きてくる。それを知事に向けるのは見当違いもいいところだ。賢明な市民は、裏に潜む政治的狙いに、冷静に目を凝らしてほしい。