令和6年県民環境委員会 本文 2024-12-11

【高木ひろし委員】
 私からは、近年非常に関心が高まっている有機フッ素化合物、PFASについて伺う。
 この問題は、昨年度の本委員会で私も何度か取り上げ、環境局の認識や取組について質問した。それ以降も、本県議会では他の委員会でもこのPFAS問題がいろいろな角度から取り上げられた。昨年12月定例議会では、生活衛生課を所管する福祉医療委員会で取り上げられ、国に対してもPFAS対策の強化という意見書を出した。
 その後、本年2月定例議会では、阿部武史委員が企業庁を所管する経済労働委員会で、企業庁に対する質問を行っている。
 そして建設委員会では、今年、上下水道課となって建設委員会の範疇になったので、上下水道課指導管理室に対し、神谷まさひろ委員が質問した。
 さらに本年11月29日には、国が全国で5年度にわたって調査した水道におけるPFOS及びPFOAに関する調査結果を公表した。PFOS及びPFOAは水道事業に対して暫定目標値を設定しているが、全国でかなり多数の水道事業者においてこの値を超えた、あるいはかなり近い値が検出されたと報道された。これはNHKの調査報道新世紀にも取り上げられるなど、非常に関心が高まっている。
 本県でも、11月29日の国が公表した中では、北名古屋水道企業団で1リットル当たり175ナノグラム、それから岩倉市水道事業でも1リットル当たり49ナノグラム、これは暫定目標値のギリギリであるが、この二つの事業者が直近で値が高いことが公表されている。いずれも地下水を利用していることから地下水の汚染が原因と見られ、水道事業としては、人体への影響が懸念されることから、とりあえず県営水道の水を入れて希釈することで値を下げているようだが、これは水道事業としての対症療法に過ぎない。過去にずっと水道水として摂取されたものが人体に蓄積した結果がどうなっているのかや、その地下水を汚染した汚染源が何かについては、まだ調査も全く行われていない。
 こういった事態に立ち至っているため、改めて伺う。環境局には、大気や水に関する高度な分析装置や技術を保有しており、県内の環境についてずっと調査してきている。その中で、PFOA及びPFOSが何回か検出されていると昨年度の委員会でも明らかにされたが、この際改めて、県内の地下水や県が調査している湖沼、河川などを含めて、PFOS及びPFOAが検出された地点やその濃度はどのようなものであったのか、全体的にまとめて説明してほしい。

【水大気環境課担当課長(水環境)】
 本県では、水質汚濁防止法に基づく水質測定計画により、2021年度から県内の公共用水域及び地下水において、PFOS及びPFOAの存在状況の把握に努めている。
 昨年度までに名古屋市等の政令市等が測定した分も含めて、地下水では延べ90地点、検体では98検体の調査を実施している。このうち、2地点3検体で水質汚濁に関わる暫定指針値である1リットル当たり50ナノグラムを超過している。内訳は、春日井市で2022年度に1リットル当たり100ナノグラム、2023年度で1リットル当たり130ナノグラム、刈谷市で2022年度に1リットル当たり57ナノグラムである。
 公共用水域については、阿久比川の半田大橋等で検出されている。

【高木ひろし委員】
 過去の測定結果では、かなり多数の地点で1リットル当たり結構なナノグラムの数値が出ているとのことだが、先ほど紹介したように、この問題は水道水や建設局の所管する水道事業の監視、健康を所管する生活衛生の部門など、県のいろいろな部署が関わってる。これは環境監視を業務とする環境局だけではなく、水道や健康に関係する複数の部局が連携して対応すべき課題だと認識しているが、今、県庁全体としてはどのような連携が行われているのか。

【水大気環境課担当課長(水環境)】
 地下水において、カドミウム、鉛等の有害物質が環境基準を超過した場合には、環境局で周辺地下水の水質測定を実施するなど、汚染の状況を把握するとともに、水道行政を所管している県建設局、市町村等と連携を図り、飲用井戸の衛生確保に努めている。
 地下水中のPFOS及びPFOAは、水質汚濁に関わる環境基準の体系においては要監視項目であり、地下水の暫定指針値超過が判明した場合には、速やかに当該井戸が所在する市町村や県建設局、当該区域を所管する県民事務所等と情報共有するなど、関係機関と連携して周辺住民に対する飲用に関する注意喚起を実施しており、環境基準項目と同等の対応によって、PFOS及びPFOAの飲用による暴露の防止等に努めている。

【高木ひろし委員】
 健康被害を一番心配しており、それを止めるための諸措置や連携は、最低限、当然のことだと思う。私としては、テレビでも紹介された岡山県吉備中央町、ここでは非常に高い値が出ており、付近の住民が住民の力である程度の原因を突き止めた。活性炭はPFOS、PFOAを含めていろいろな有害物質を除去する装置となるが、PFOS、PFOAを含んだ活性炭が河川の上流部に置かれており、それが水中に染みていったことがほぼ特定された。これは汚染原因がほぼ特定された非常にまれな例であり、そのほかは県内の地点においても、豊山町は小牧市の自衛隊基地や空港の泡消火器などが怪しいのではないかといった、いろいろな言説が飛び交っているが、それを突き止めた人は誰もいない。
 そして、私が強調したいのは、県内においてその権限と能力において、これを調査し、検査して検出する機能を持っているのは、愛知県環境局だけである。名古屋市北区にある愛知県環境調査センターには、非常に高度な専門家もいて、装置もある。健康への影響を防止することはもちろんだが、もともと自然界にはないものなので、どこからこの汚染がもたらされたのか。自然に存在するはずがなく、人為的に創造されたものがどこかに投棄されたり流されたりしてここに至っている。私は、この原因を確かめてこれを除去しない限り、住民の不安は払拭できないと思う。
 そこで伺うが、国ではこれまでの指針値や目標値という監視するための目安のようなものから、基準値として何らかの対策を義務づける値にこれを変える方向で議論が進んでいるようだが、これだけ県内でも検出されており、随分年月も経っている。県環境局としては、それを待つだけではなく、県の調査能力をもってこの原因究明や汚染源の特定について、積極的に取り組んでほしいと思うが、どのように考えているのか。

【水大気環境課担当課長(水環境)】
 PFOS、PFOAは、現在、製造、輸入等は禁止されているが、金属の表面処理や自動車の洗浄剤など、多岐にわたって使用されてきたことから、過去の使用状況を把握することは非常に難しく、原因の特定が困難な状況である。
 PFOS、PFOAが暫定指針値を超過して検出された場合には、国のPFOS及びPFOAに関する対応の手引に基づき、先ほど答弁したとおり、まずは飲用による暴露の防止を徹底し、超過井戸や周辺地域の井戸所有者に対して井戸水の飲用を控えるよう注意喚起している。
 また、速やかに周辺の事業者での漏えい事故等の有無を確認し、今年度からは県の調査や水道事業者の検査で超過が判明した地点の周辺で追加調査を実施しており、汚染範囲の把握に努めている。
 県民のPFOS及びPFOAに対する不安を払拭するためには、県内全域の存在状況を継続して把握することが不可欠であるので、引き続き名古屋市ほか水質汚濁防止法政令市等と水質測定計画に基づく調査を実施し、暫定指針値を超過した場合には、関係機関と連携して、周辺住民への暴露防止とともに、追加調査や継続監視を行っていく。

【高木ひろし委員】
 先日、非常に気になるニュースに接した。11月30日の東京新聞によると、今、答弁にあったように環境省が自治体向けの対応の手引を作っているが、この対応の手引の中で、血液検査をやたらと行うと、かえって住民の不安を増やすと書いてあって、国の少し腰の引けた姿勢があったが、そういう表現について批判を受けて削除したようである。国の動向にも製造企業との関係など、いろいろあると思う。まだ、我々が期待するようなスピードで十分な対応ができているとはなかなか思えない部分があるので、県議会としても意見書を提出している。県として、国の対応を待つだけではなくて、今答弁にあった関係各署と連携を深めて、県環境局の持っている高度な検出や分析の機能を発揮して、この汚染源の特定のために積極的に動いてほしい。

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