【高木ひろし委員】
県立高校におけるLGBTQの生徒への対応について伺う。性別を問わない制服の導入状況について、現在検討中の高校を含め、どのような傾向となっているのか。
【高等学校教育課長】
県立高校においても、性別を問わない制服の導入が進み、全体の約半数である76校の高校で導入が進んでいる。女子の制服にスラックスを導入した学校と、制服に男女の区別を設定していない学校がある。来年度以降に女子のスラックスの導入を検討している学校は52校、既に導入した76校と合わせると128校になる。これは、全県立高等学校の86パーセントに当たる。
【高木ひろし委員】
制服の規定をはじめとした校則に関して、県はどのように学校に指導しているのか。
【高等学校教育課長】
校則は、文部科学省の生徒指導提要に規定があり、法的な裏づけはないものの、学校が教育目標を達成するために必要かつ合理的な範囲内で定める規律、あるいは生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動指針として、各学校長の権限で定められるものである。
また、学校教育において、社会規範の遵守について適切な指導を行うことは、極めて重要であり、その意味で校則は、教育的意義を有している。さらに、生徒の実情や地域の状況、校風など、学校がその特色を生かし、創意工夫ある定め方をする中で、教育目標に照らして合理的であると考えられる場合には、服装や髪型などは原則自由化し、社会的規範や常識を踏まえた生徒の主体的取組とすることもあり得ると考えている。
大切なことは、生徒一人一人が主体的・自律的に規範を遵守し、よりよい社会生活を送ることができるような生徒指導を行っていくことであると考えている。
【高木ひろし委員】
昨年の春から、公立高校入学願書の書式が変わり、性別記入欄が無くなった。県として、どのような理由でこの書式変更を行ったのか。
【高等学校教育課長】
入学願書の性別欄は、現在の高校2年生が受検した昨年3月の入試から廃止している。これは、性別は入学者選抜を行う際には不要な情報であることと、性的少数者の受検生への配慮という二つの理由によるものである。
【高木ひろし委員】
今後、性的少数者の生徒の苦しみや被差別感が少しでもなくなるよう、学校環境を変えていくために、どのように取り組んでいくのか伺う。
【高等学校教育課長】
性的少数者の生徒については、これまで、多目的トイレや職員トイレの使用、自認する性別の制服等の着用、修学旅行では1人部屋の使用を認めるなど、きめ細かな対応をするよう各学校を指導してきた。また、性別を問わない制服の導入とともに、性別によらない名簿の導入についても各学校に促してきた。
今後もこうした取組と合わせて、教職員が性的少数者の生徒の理解者となり、困ったときには相談しやすい環境を整えておくことや、他の生徒が差別的な言動をすることがないよう、人権教育を一層進め、自認する性別に悩みを持つ生徒が安心して学校生活を送れるようにしていきたい。
【高木ひろし委員】
ICT支援員の配置については、自治体ごとに人数や人材確保の手法にばらつきがある。県として、小中学校におけるICT支援員の配置をどのように支援していくのか伺う。
【教育企画課長】
本県では、GIGAスクール構想を契機として、昨年3月に県教育委員会と県内の全市町村教育委員会のICT教育担当課長を構成員とする、GIGAスクール構想共同研究会を設けている。その中で、各市町村におけるICT支援員の配置状況や配置方法等を、全市町村で共有し、支援員配置の促進につなげていきたい。
また、支援人材確保への対応として、国においては、人材紹介や派遣等を行っている事業者等に関する情報の提供、雇用シェアを希望する企業と、企業人材の受入れを希望する教育委員会や学校をつなぐ取組、学校のICT化をはじめとする教育への外部人材の活用情報の提供などを行っている。このような仕組みを市町村に紹介し、人材の確保を支援していく。
加えて、専門的な知見を有するICT活用教育アドバイザーに、費用の負担なく相談ができる文部科学省の事業や、国庫補助事業としてのGIGAスクールサポーター制度を活用するほか、ICT教育に関して先進的な取組を行っている市町村や学校の情報を、市町村と共有するなどの支援をしていきたいと思っている。
さらに、教育委員会では、義務教育問題研究協議会において、昨年度からの2年間、ICT機器を活用した教育活動の在り方をテーマに、本県小中学校におけるICT教育について研究を進めており、昨年度末には、今後の学校教育で力を入れていきたい視点を示したリーフレットやICT機器の効果的な活用に関する事例集を作成したところである。こうした取組により、県全体で小中学校のICTを活用した教育の充実に努めていきたい。