【高木ひろし委員】
愛知県再犯防止推進計画は、本年度末に策定予定であり、現在、パブリックコメントが実施されている。本県では初めてつくる計画であるが、再犯防止計画を策定することになった経緯や意義を伺う。
【県民安全課長】
地方公共団体は、2016年に施行された再犯防止推進法において、国との役割分担を踏まえ、地域の実情に応じた推進計画を策定し、施策を講じていく責務があると定められている。
本県においても、刑法犯認知件数は減少傾向にある一方、再犯者率は約5割と非常に高い割合で推移しており、再犯防止対策は極めて重要な課題となっている。
このため、2018年に名古屋地方検察庁や矯正施設、保護観察所、弁護士会や協力雇用主会などの関係機関で連絡協議会を設置し、推進計画の策定に向け、効果的な対策の在り方の検討を進めてきた。具体的には、国のモデル事業として、矯正過程での寄り添い弁護士制度による社会復帰支援事業、出所後の職場定着支援事業の採択を受け、弁護士や職場定着支援員が中心となって具体的な支援を行い、その効果検証として、就労や住居、福祉といった課題を抽出し、改善策の検討を行った上で、本年11月に計画案を策定した。
【高木ひろし委員】
みよし市には、この地域最大の刑事施設の名古屋刑務所があるが、刑務所から出てくる者を受け止める連携は、これまで十分なものではなかったと思う。
全体の刑法犯検挙者数や認知件数は減少しているが、再犯率は下がらない。年間で6,000人以上が、複数回繰り返し罪を犯しており、課題となっている。
初めて策定する計画の中で、寄り添い弁護士制度や就労支援事業、地域定着支援事業を検証しながら、本当に実効性のある計画にしてもらいたい。この計画の中心になるのは、既に設置されている愛知県再犯防止連絡協議会であり、その会長の防災安全局長の意気込みや所感を伺う。
【防災安全局長】
愛知県再犯防止連絡協議会からは、本県らしい計画にしてほしいという意見をもらった。また、みよし市の刑務所を訪問したときに、寄り添い弁護士制度の担当官とミーティングを行い、寄り添い弁護士制度等をぜひ継続してほしいとのことであった。
モデル事業で終わらせることなく継続実施できるよう、取り組んでいきたい。また、地域定着支援センター事業は福祉局の施策であるので、愛知県再犯防止連絡協議会を通じて庁内横断的に取組を続けていきたい。
国の出先機関の担当官からも、愛知県再犯防止連絡協議会の場を活用して、一緒にやっていきたいと言われている。社会復帰支援事業や職場定着支援事業等に対して支援してもらえるように、愛知県再犯防止連絡協議会のメンバーから法務省へ話を上げてもらうようお願いしている。