【高木ひろし委員】
アジアパラ競技大会について、国際オリンピック委員会(IOC)は、従来からオリンピックとパラリンピックを並行的に開催していたが、今回の東京オリンピックから、主催団体そのものが一緒になって、国際オリンピック委員会がオリンピックもパラリンピックも開催する形になったと理解している。アジア競技大会の場合は、アジア競技大会とアジアパラ競技大会の主催団体は、相互にどのような関係になっているのか伺う。
【アジア競技大会推進課主幹(企画)】
オリンピックの場合は、基本的には、オリンピックはIOC、パラリンピックは国際パラリンピック委員会が開催しているが、一緒に開催しようという関係性ができている。アジア競技大会の場合は、アジアオリンピック評議会とアジアパラリンピック委員会が開催する形になるが、まだそのような関係にはなっていない。基本的には、全く別の大会で、アジア競技大会が行われている都市で、少し後にアジアパラ競技大会も行われていることになる。
ただし、いろいろな大会を見てみると、実際に大会を運営する場合、同じ組織委員会、あるいは綿密に連携したほうが効率的にできるといった印象も持っているので、そういった運営体制のあり方は、今後検討していく。
【高木ひろし委員】
本年に発足した組織委員会は、2026年のアジア競技大会の組織委員会であって、その視野の中には、アジアパラ競技大会は入っていないが、アジアパラ競技大会を開催する場合に、組織委員会を別に立ち上げるのか、それとも既に立ち上がった組織委員会に新たな任務を付加して、そこに委員を追加するなどして、一つの組織委員会でアジア競技大会とアジアパラ競技大会を開催するのか伺う。
【アジア競技大会推進課主幹(企画)】
どういう体制を組むかは、これから検討する必要がある。ジャカルタ大会の場合は、別の団体として立ち上げていたため、連携がとれていない分野が多いという印象を受けている。
次回の杭州大会は、アジア競技大会の組織委員会はしっかりとあるが、パラ競技大会の動きは把握できておらず、杭州大会の状況も見ながら、これからしっかり考えていきたい。
【高木ひろし委員】
東京オリンピック・パラリンピック競技大会の評価すべき動きの一つとして、東京都が、いろいろな障害のある人、ない人、あるいはいろいろな国々の人たちが東京という一つの舞台でスポーツを通じて共生、共存、共栄していくことを表現する、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を制定した。この条例には、障害者に対する配慮や多文化共生の考え方も含まれており、東京都は、こうしたことも開催準備の一つとして位置づけて取り組んでいる。
愛知県も、アジアパラ競技大会を開催する場合には、アジア競技大会及びアジアパラ競技大会を開催するためにふさわしい社会的環境、物理的環境を整備するだけではなく、政治的、社会的な部分も検討し、人権状況、共生文化が、大会の開催を通じて進歩するような形になるよう考えてほしい。